【書評】我らが家族の一員として マーク・ニクソン『愛されすぎたぬいぐるみたち』感想。
マーク・ニクソン
『愛されすぎたぬいぐるみたち』
を読んだよ!
こちらの本、以前読んだ「人形メディア学講義」で紹介されていたので
手に取ってみました。
表紙を飾るこちらのクマのぬいぐるみですが、なんというか「怒り」に近い
感情を持っているような印象を持ちます。
でもなんか憎めない表情ですよね。「てやんでえ!」って言ってるような気がします。
「ここから先は行かせねえ!」みたいな感じでもあるかな。
そのボロボロになった体からすると後者の方が合ってるかもしれません。
そう。このくまのぬいぐるみ、ボロボロなんです。
この本にには、持ち主の所で過ごした結果ボロボロになってしまったぬいぐるみ達
ばかりです。
手足や耳が千切れかかっていたり、中の綿が飛び出しかけたり、表面の毛が抜けて
生地がまる見えになっていたり…とおよそ”かわいい”という表現からは離れてしまった
ぬいぐるみ達です。
前出の「人形メディア学講義」においてこの本が紹介されている箇所で
遺体とか遺影のようだというコメントがあったと記憶していますが、
その表現がぴったりです。
そのため、ふつうの「ぬいぐるみの写真集」ではないのでかなり読む人を選びます。
万人におすすめ出来るものではないのですが、家に大切にしてあるぬいぐるみが
いる人には「こんなになるまで持っている人がいる」というのを示してくれる
本なので、「まだ持っていよう」という気にしてくれるかもしれません。
どうにも複雑な気分になる本なので、まとまりがつかないのでこの辺りで
終わりにしておきます。
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