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【書評】死体はスーパーヒーロー!…なのか? メアリー・ローチ『死体はみんな生きている』感想。

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メアリー・ローチ

『死体はみんな生きている』

 

を読んだよ!

 今回はグロ注意と先に断っておきます。

  

ざっくりまとめ

人はみんな最後に「死体」になるけれど、死体ができる事ってなんだ?

もうちょっと詳しく

「献体」という言葉を聞いた事はあると思います。

自分の死後、その死体を医学の発展のために提供する事ですね。

しかし、それ以外にも「死体」は人類に貢献してきました。

その「それ以外」にもスポットを当てて書かれたのがこの本です。

内容上グロ注意である事を断っておきます。

死体はスーパーヒーローだ。火を恐れず、高いビルからの落下も、

壁への正面衝突もいとわない。弾丸を撃ち込まれても、

脚を高速モーターボートのモーターに巻き込まれても、

頭を取り外されても平気だ。

(中略)

私はこの英雄視に賛成だ。

このすばらしい力を人類の向上のために使わずに

無駄にする手があるだろうか?

さあ、スーパーヒーロー(?)の活躍を見てみましょう。

まずは解剖だ! 

まずは、一般的に想像される解剖について見ましょう。

トラブルメーカー登場と処罰として

一方的な中傷の可能性を否定できないのですが、解剖学の父と呼ばれるヘロフィロス

が「犯罪者を生きたまま」解剖したことになっています。

そのまま犯罪の処罰として「解剖」が残り、解剖していいのは処刑された人間だけ

となります。

それだけならまあ、いいんですが。

好奇心とか科学の発展の名のもとに、解剖出来る死体が不足していくようになります。

死体を”調達”しよう!

死体が足りないなら墓場から持ってくればいいじゃないか!

という結論にたどり着くのにそれほど時間はかからなかったらしく、

1828年のロンドンの解剖学校は、需要に追いつくために、

フルタイムで10人とパートタイムで200人ほどの死体泥棒を雇っており

おいおい、学校ぐるみかよ!

それ以外にも、自分が手術した患者のかかりつけ医と頻繁に連絡を取って、その患者が死亡したら回収するようにしたり、宿屋の客が死体目当てで殺されたりと

まあ徹底的に物扱いしてる様が書かれています。

良心という漢字の1角すらないですね。

解剖以外の使い道(もしくは生き方)

人間はどのようにして土に還るのか?

「土に還る」とは時々聞きますが、現代において「人間が土に還る」事は

そうありません。

そうないうちの一つが、殺人・死体遺棄事件です。

刑事ドラマでよく見る、「山の中で発見された死体が死後○日」

というのは何故わかるのか。

「実際に死体を放置してみる」しかありません。

人体の腐敗を研究する施設が本当にあります。

本当に安全なのか?

 

 車の実験用ダミー(?)にも死体が使われます。

「ダミーってもうあるじゃん」と思われるでしょうが、

加わる力が分かっても、「その力に人間が耐えられるか」という情報が

必要なのだそうです。

その他にも、防弾チョッキの実験や逆に銃に撃たれる側にもなります。

ところで、本当に死んでいるのか?

「死体を使う」には「本当に死んで」いなければならないのですが、

「死んでいるかどうか」を決めるのに悪戦苦闘している様も書かれています。

曰く、足の裏を剃刀で削ぐだの、ラッパのファンファーレを鳴らすだの。

生きていれば拷問でしかあり得ない行為が書かれています。

もし仮に生きていたとしても、殺してくれと良いそうな事ばかりです。

まとめ

ほんとうにドン引きとグロ注意な内容です。

読んで、楽しい気持ちには絶対になりません。

とはいえ、これもまた知られざる科学の一面です。

「ちょっと変わった本が読みたいな」という方にはお勧めしますが、

それ以外の方にはお勧めしにくいですね。

 

 

 

 

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