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熱意を今に伝える 杉田玄白「解体新書」(現代語訳)感想。

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ガチニート時代に読みたかったけどお金がなかった本シリーズ第37弾
杉田玄白 「解体新書」(現代語訳)
を読んだよ!

 

解体新書とは?

もとはドイツ語で書かれた解剖図書「ターヘル・アナトミア」であり、

それをオランダ語訳されたものをさらに日本語に訳したものです。

鎖国時代の日本に西洋の先進性を示し、激動をもたらす原因となった本です。

 

なぜ読もうと思ったのか?

日本史には必ず出てくる本なのに、実際に読んだことがないので、

一度挑んでみようかとおもったんですよ。

間違いなく日本の歴史を動かした本ですもん。

 

感想などはここから。

めっちゃ熱いです。

書かれている知識ではなく、翻訳にかかわった人達の熱意が

ものすごく熱くて伝わってきます。

これを読んで理解できないことがあれば、
私が生きているかぎりいつでも質問をし訪ねてくることはかまわない。

とか、
原著の挿図を模写した人曰く

画くことができないといえば、友人は大いに困るであろう。
ああ、友人を困らせるよりは、むしろ恥を永遠に流すことにしよう。

とかを読むとものすごい熱を感じます。(現代語訳が上手いのもあるでしょう)

それとはまた別に凄いのが、付図も含め木版であるという事です。

木版とは木を削って印刷の版下にする技術なんですが、

字はともかく解剖図も彫るとか、手先の器用さ半端ないですよ!

手足の筋肉や心臓の血管とか、手彫りでここまでやるか!

 

そういった当時の凄さだけでなく、現代語訳とは別に

解説として時代背景や裏話も書かれているのでその部分も面白いです。

実は始めたころはABCも知らなかったとか書かれていて、

「よくもまあそんな状態から翻訳しようと思ったな!」

とちょっと呆れたりもしましたけどね。

 

それから逸話として知られている「フルヘンヘッド」という単語が
実は「鼻」の項目には使われていないとか、今回読むまでしりませんでしたよ。


まとめ。


原著「ターヘル・アナトミア」は出版されたのが1734年ということもあり、

(おおよそ280年前ですよ!)医学知識としては古いため

解剖の知識を得るという意味では読まない方がいいです。

もっと分かりやすい本はちゃんとあります。

一方で、かかわった人の熱意がちゃんと伝わってくるので、

そういった熱さを感じたい人にはお勧めです。

 

 

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