takanikoniko’s blog

本とお出かけと時々ドール。

グラフを見れば誰でも見抜けるらしいが騙されてると思うので書いておく。

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ツイッターのタイムラインで見かけたこのグラフ。

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どう考えても印象操作しているようにしか見えないので

突っ込みを入れようと思う。

まずは二つの赤枠を見て欲しい。

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左と右の枠内数字が明らかにずれている。

左の赤枠が6100~6900に対し、右の赤枠が7500~8300である。

右の赤枠は「15~64歳人口」の目盛だが、このずれを直せば、

こんなところで他の線と交差するはずがないのである。

これは、本来あり得ないものを作りだした意図的な印象操作と言って良いと思う。

次に「定年退職の枠を超えるほど採用が増えた」というのも

この印象操作により読み違えを誘発されたのだと思う。

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黒色でおおよそ8000の位置にある線が政権交代時の15歳~64歳人口である。

とりあえず8000万人いたとしよう。それが最近では7500万人ほどに減少している。

マイナス500万人くらいだ。

対して、ピンクで示してあるのが政権交代時の労働力人口である。

これは交代時およそ6500万人だったのが、現在だとおよそ6800万人である。

プラス300万人くらいだ。

黄色が実際の就業者数だ。

こちらは政権交代時およそ6250万人くらいだったものが、最近は6650万人くらいだ。

プラス400万人くらいだ。

「定年退職により採用枠が空き、その分の雇用枠を埋める以上の採用がある」

という事だが、それならば就業者数が500万人以上増えていないといけないが、

実際は400万人くらいでしかない。

100万人くらい埋まっていないうえ、それ以上の採用があるなどとても

言えない状況である。

よって、この説は無理筋であるといえよう。

 

さて、ここまではグラフの目盛を操作する事で印象を操作している事、

それによって引き起こされた説の誤りを説明した。

しかし、もう一つ重大な事が操作されている。

まず、新しくタイトルに線を引いた図を見て欲しい。

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就業者数、労働人口のところに赤線を引いた。

15歳~64歳人口のところに青線を引いた。

3っに分けなくていいのか?と思われるかもしれないが、これで良いのだ。

なぜか?それは含まれる数字が関わってくるからだ。

まず青線、15歳~64歳人口についてだ。

これは何もややこしくない。読んで字のごとく、「15歳~64歳の人口」だ。

ここに14歳は含まれていないし、65歳も含まれていない。

しかし、就業者数と労働人口は違う。ここは「働いていれば」含まれるのだ。

65歳だろうと働いていれば、就業者数にも労働人口にも数えられている。

分かりやすく説明するために、人数をすくなくして説明しよう。

 

10人しか人間がいない世界があるとしよう。

全員が一つの会社に勤めていているので、就業者数・労働人口は共に10人。

うち一人(Aさんとしよう)は64歳だ。

Aさんが65歳の誕生日を迎えたので、15歳~64歳人口は9人になった。

しかしAさんはそのまま同じ会社で働き続けたので就業者数・労働人口は10のままだ。

ここに、「就業者数・労働人口」と「15歳~64歳人口」との間にギャップが発生する。

 

つまり、「就業者数・労働人口」と「15歳~64歳人口」とは関連性が弱いのだ。

それを堂々と「定年退職で枠が空いた」証拠としてだすのはちょっとおかしいし、

「就業者数・労働人口」は「枠を埋めた」証拠としては根拠が弱いのだ。

 

すべてをひっくるめると、

このグラフを持って「ドヤあ」とするのは恥ずかしいですよ

ってことなのだ。

 

まあ俺はただの無能無職なので聞き流してくれ。