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【書評】もう人は毒から逃げられないんじゃないか? ラリー・D・ローゼン『毒になるテクノロジー』感想。

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ラリー・D・ローゼン

『毒になるテクノロージー』

 

を読んだよ!

 

  

ざっくりまとめ

 

コンピューター・スマホ・インターネットは、人にとって”毒”なのだ!

信じられないかもしれないがそうなのだ! 

もうちょっと詳しく

「コンピューターとかスマホとかインターネットは毒だ」

なんて聞いたら、「何言ってるんだこいつ?」と思われるかもしれません。

もしかしたら、「それはそうだそのとおり」かもしれません。

多分、多くの人は「何言ってるんだ?」でしょうが。

しかし。

テクノロジーと精神的疾患との間には具体的な相関が見られた。

たとえば、Eメールの送受信に多くの時間を費やしている人は、

自己愛性パーソナリティ障害の兆候と症状が多く見られる。

また、自己愛が強い人は、携帯電話での通話とメール利用が多く、

フェイスブックに自分の写真や近況を頻繁に投稿し、

テクノロジーを擬人化する

(車に名前をつける、GPSに話しかける、など)

率が高く、携帯電話やSNSをチェックできないときに不安を感じやすい。

思い当たる節、ありませんか?

 

この前の、

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に集中できなくなる原因の筆頭に挙げられていた「デジタル依存症」について、

詳しく書かれている本なのです。

あれ?通知が来たと思ったのに。

「スマホの通知が来たと思ったのに来てなかった…」

なんて事、ありませんか?これが”気のせい”ではなく、

幻想振動症候群(ファントム・ヴァイブレーター・シンドローム)

という現象だとしたらどうでしょう。

怖くないですか?

携帯電話から一定の距離をとると、メールも電話も受信していないのに

振動音が聞こえるようになった。

携帯電話をポケットに入れているときも同じだ。

メールも電話も受信していないのに、振動を感じ、

振動音が聞こえるような気がする。

まるで、携帯電話にからかわれているみたいだ。

SNSのアカウントは”自分”なのか?

「今日のランチ―」

「有名人にフォローされた!」

「こんなところで言うのもなんですが」

 

なんてのはSNSでよく見ますが、これ全部主語が”私”なんですよね。

(最後のは「別人の台詞」に見せかけてる時もあるかもしれませんが)

なので、基本的にSNSは「自己愛」が表面にでるメディアです。

そのため、中傷されたり炎上したりすると精神的にダメージを受けやすく

なります。酷い時には自殺の原因にもなります。

最近だとLINEのグループ外しとか既読スルーとかそうですよね。

(逆に、既読スルー”されて”キレる人は自己愛が強すぎる人扱いじゃないでしょうか。

それから、「いけなかった人の事も考えてください!」とか言う人も自己愛が強すぎる

タイプなんじゃないでしょうか)

じっと座っていられないのはゲームのせいか

「子供が座って授業を聞かない」というのは時々聞きます。

そういう時って決まって、テレビとかゲームのせいにされますよね。

この本において、

「子供が座って授業を聞かないのはゲームのせいか?」という疑問に対し、

「YES」と答えています。

実は、ビデオゲームに必要な集中力は学校の勉強に必要なそれとは

異なることがわかっている。

まとめると、

ゲームではプレイヤーに与えられる報酬が脳への刺激となり、

ドーパミンが放出される。ドーパミン - Wikipedia

学校の勉強では報酬が得られる事はほぼないため、ドーパミンが放出される事は

ほぼない。

つまり、学校の勉強に対して「報酬が得られない作業」であると脳が記憶してしまう。

ということになります。

別の見方では、

子供の脳が高速のゲームに反応し、、良い結果を出すために求められる

極度の警戒状態に慣れてしまうと、現実の世界が退屈で面白くないものだ

と感じるようになることが考えられる。

というのもあります。

 

少し前に日本ではやった「ハーバード白熱教室」のような授業が受けたのも、

このあたりが関係しているのかもしれません。

 

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 実際、デレステで遊んで終わったらなんか時間がゆっくりになった

感じがするんですよね。

 

まとめ

 

本に書かれている内容のうち、ざっくりと3つの事について触れましたが、

この他にも鬱との関係や、摂食障害との関連などについて書かれています。

「ネットがなければいいじゃない」と言えば簡単ですが、世の中は

もうそんなところまで引き返せないほどになっているので、

「現実的な付き合い方」についてアドバイスしてあるこの本は

おすすめです。

 

 

 

 

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