【書評】自己啓発本をぶっ叩け! オリバー・バークマン 「最強知的“お助け”本」を読んだよ!
ガチニート時代に読みたかったけどお金がなかった本シリーズ第33弾
最強知的“お助け”本
を読んだよ!
ざっくりまとめ
自己啓発本でありながら自己啓発本を叩きまくる!
もうちょっと詳しく
オリバー・バークマンさんによる、自己啓発本です。
自己啓発本…なんですが、大丈夫なのかこれ?という内容です。
自己啓発本の心配をするなんてそうそうないんですけど、これは心配せざるを得ない。
なぜか。
形式的には、テーマごとに書かれた短いエッセイをまとめた形なので心配する要素は
ないんですが、問題は中身だ…。
その中身は、間違いなく自己啓発本でありながらその方面に真正面から喧嘩を売っています。
アンソニー・ロビンズに売り、デール・カーネギーに売り、
ナポレン・ヒルに喧嘩を売ります。他の人にも売ります。
曰く、
「イカサマじみている」
「安っぽい詐欺まがいの自己啓発思想を世間に流通させる原因」
との事だそうで。ちなみにここまでで序文の4ページです。
いやホントにこんな自己啓発本のド本流とでも言うべき人々に対してここまで言って、
良く出版されたなあ。
ではなぜ喧嘩を売ることにしたのか。その理由も書いてあります。
積極的(ポジティブ)思考を唱える自己啓発家達は、人々の人生を充実したものにすることを保証しながら、失敗した原因をその人の努力不足のせいにする。その時責任を問われるべき著者は「各人の現実の姿はその人の思考によって作り上げられる」などと唱え、平気な顔をしている。
ざっくり言うと
「前向きに考えればうまくいくよ!失敗したら君の責任で俺は悪くない!」
って言う奴の話なんか聞いてられるか!
なるほど、納得です。
じゃあ最初から最後まで喧嘩を売りっぱなしなのかと言うとそうではありません。
有益なアドバイスも書かれています。
二分以内にできると思うことは、ただちに実行しなさい。
とか
「リラックスの仕方を計画する」などというのは、言葉の矛盾である。
等は今すぐ役に立つ言葉でしょう。
また、年をとると時間の経過が速くなるのかについて、
新しく取り入れる情報の量が多いとき時間はいつもよりゆっくりと経過していく
とか
記憶を思い出す時に感じる時間と、実際に体験しているときに感じる時間は同じではない。
ともいっています。
まとめ
このように自己啓発本に喧嘩を売りながらも有益なアドバイスをくれる本なので、
「前向きになる事をすすめる自己啓発本」を読んでいるのにうまくいかない人は一度読んでみてはいかがでしょうか。
時折自虐・皮肉を込めた読みやすい文章なのでちょっとした時間に読むといいですよ。