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【書評】哲学とは何か?を考える前に 大井 正/寺沢 恒信『世界十五大哲学』感想。

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大井 正/寺沢 恒信

『世界十五大哲学』

 

を読んだよ!

 

  

ざっくりまとめ

哲学を知りたいならこの本を読め!有名な哲学者15人を解説!

もうちょっと詳しく

タイトルのとおり、哲学と偉大な哲学者15人を解説している本です。

本の構成は大きく二つに分けられていますが、正確には以下の三つです。

①哲学とは何か

②哲学の歴史

③大哲学者15人の紹介

 

タイトルから期待するのは③だと思いますが、この本の真価は①と②ですね。

哲学とは何か

これが一番この本でお勧めです。

何故哲学はややこしいのか

 哲学と聞いて、なんか良く分からないけどややこしそうなイメージがあります。

それは哲学がつねに前提をはっきりする事を要求する学問だからです。

例えば「太陽は東から昇る」という事について二人で話し合うとしたら、

「太陽」とは何か。

「は」はどういう意味を持つのか。

「東」はどういう意味か。

「から」はどういう意味か

「昇る」はどういう意味か。

これらの言葉を全て両者で一致させるところから話が始まるとしたら、

もうめんどくさいにもほどがあります。でもこれが哲学なのです。

「哲学とは何か」という答えに結論がないのはなぜか。

上のように「前提」を追求する行為を行う事で、結論に達したとしましょう。

しかし、複数人が研究の果てに全然別の結論に達したのが哲学です。

それを何年も繰り返しているので、「哲学とは何か」という答えに結論が出ずに

哲学そのもが複数の側面を持つようになってしまいました。大きく分けて

①人生と哲学

②科学と哲学

③社会と哲学

の3つです。

僕は①なので、これをメインに続けていきます。

結論から言うと期待は大外れなのですが。

人は何を哲学に求めるのか

人が哲学の本を読もうと思った時は「暇だから」という理由よりは

「人生に悩んだから」という場合が多いように思います。

じゃあ哲学は人生の答えをくれるのか?というと答えはNOです。

著者は

「人生について答えが欲しい?哲学なんかやらずに宗教でも信じれば?」

くらいの勢いでばっさりと切り捨てています。

何故か?宗教は盲目的に信じる事であり、自分がそれを信じられればよいからです。

一方、哲学は「自分で探求する事」が第一だからです。

例えば「神はAと言っている」という事を信者は信じられるでしょうが、

哲学で言えば「神ってなんですか?」「Aってなんですか?」と言ったら

この時点で異端だの破門だのって話になるでしょう。

さらに重要なのは「大哲学者はAと言っている」という事にも一度は疑う

事が求められるという事です。

こういった神だとか聖典だとか大哲学者とかを「外の権威」として

哲学では認めません。その事が哲学の第一歩なのです。

ほら、人生の答えなんて答えてくれないでしょ?

人生の答えをくれない哲学に意味はあるのか?

これは”ある”と言えます。

まず一つには「外の権威」を認めないことによって、

自分の世界観を確立していく事ができます。

そして、全てに対して”一度は疑う”習慣をつける事で自立した動きを取れるようになります。

「何を信じ、何を信じないのか」を判断するくせを身につけることができたら、

少なくとも何かに流される事が減るでしょう。

かつて良く聞いた「その場の雰囲気」とか「場の空気」とかいうのに

何となく流されたりしたくない人は、哲学をするべきです。

まとめ

多くの人が哲学に期待するものについては、ばっさりと切り捨てていますが、

この辺りは本全体からみると入口にしかすぎません。

ここを読んでなお哲学者について知りたいなら、先に進んでも良いと思います。

文章は読みやすいですが、物量はかなりのものなので気合を入れないと

読破するのは難しいでしょうね。

僕は哲学の歴史で気になった人を読んだのですが、集中力の限界を迎えました。

とりあえず第一編の「哲学のすすめ」だけでも読む事をおすすめします。 

 

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