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君たちはどうしてそんなに「ポジティブ」なんだ? バーバラ・エーンレイク 「ポジテイブ病の国、アメリカ」感想。

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バーバラ・エーンレイク

「ポジティブ病の国、アメリ

 

ポジティブ病の国、アメリカ

 

を読んだよ!

この世には数多の自己啓発本がありますが、有名どころだと

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

 

 とか

 とか

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

 

 とか

ザ・シークレット

ザ・シークレット

 

 とかがありますが、大抵は

「ポジティブに考えると全部うまくいくよ!」

って話。しかも全部アメリカ。…君らほんとに「ポジティブ思考」好きやな!

そんなところに、

「どうしてアメリカはポジティブ思考が好きなんだ?」

と突っ込みを入れるのが今回の

「ポジティブ病の国、アメリカ」

です。

著者いわく

アメリカ人にとってポジティブであることは、気分や状態というよりも

イデオロギー―世の中をとらえ、そのなかでどう機能するべきか考える

さいの拠りどころ―の一部だからである。

 だそうで。

そりゃ好きなはずだわ…いや、好きというよりも

「ポジティブでなければならない」と魂に刻みこまれているというべきか。

「和を乱すものはよくない」と日本人的が考えるのと同じレベルで、

「ポジティブでなければならない」とアメリカ人は考えているらしい。

 なるほど。

で、この考え方の最大の危険性は

ポジティブ志向の裏を返せば、容赦なく個人の責任を強調されると

いうことだ。つまり、事業に失敗したり職を失ったりしたときに、

努力が不十分だったとか、成功への確信が不十分だったなどと

されてしまうのだ。

おおう…。容赦ねえなあ。

最近は日本でもこういう感じで責任を追及されますねえ。

こんなところまでアメリカ流にしなくてもいいのに。

自分の周りからネガティブを追い払え?…なにを言ってるんだ?

「ポジティブでありたければ周りからネガティブな人や情報を遠ざけろ」

とはこの手の本にはよくあるパターンですが、「ちょっと待てよ」と

著者は突っ込みを入れます。

心のパワーがほんとうに「無限」であるならば、自分の人生から

ネガティブな人を追い払う必要すらないではないか。

たとえば、相手の行動をポジティブにとらえることもできる。

彼は私のためを思って批判するのだとか、彼女は私への好意に

気づいてもらえないから不機嫌なのだとか。

ネガティブな人やニュースを排除するなどして環境を変えるべきだと

アドバイスするのは、我々の願望にまったく影響を受けない

「現実世界」が存在すると認識しているからこそである。

つまるところ「ポジティブに考えればすべてうまくいく」と言っておきながら、

「どうする事も出来ないものがある」という事を認めているのだ。

”すべて”って何なんでしょうねえ!

職場にポスターは貼ってありますか?

時々話題になるこの会社。

www.motivation-up.co.jp

こういう商品に対して見事な言い返しをしている人がいます。

「美しいポスターと気のきいた格言くらいでやる気が出るならば、

あなたの仕事はとても簡単なのではありませんか。

そのうちロボットにもできるようになるような」

つらい時に笑えないような人は赤ちゃんである

いくらアメリカ人がポジティブ思考だからといっても、「常に」というわけでもない。

泣きごとを言いたい時もある。

それに対して、ポジティブ思考の著名人のアドバイスはもはや鬼である。

「ひどく惨めなときには陽気に見せることなどできない」

という内容の手紙をもらったときには、

「無理にでもそのふりをしなさい」と返事をするという。

また、職場の「変化」―概してリストラの事である―に関する

彼女のアドバイスはこうである。

「どうにかして対処なさい、大きな赤ちゃん」

いやほんとに鬼だ…。いくらなんでもこれはないだろう。

 

まとめ

「ポジティブ」という思考・主義がどの様にアメリカを動かしているのか

アメリカ人の心にあるのか、その実体と危険性を書いた本であって、

その意味では「アメリカ人そのもの」の解説の一つとも言えるでしょう。

面白いといえば面白いんですけど、以前読んだ

takanikoniko.hatenablog.com

 に比べると、学問に近い感じがするので読みにくいかな…。

もしかしたら、アメリカ人を理解する目的の一つの方法として読んだ方が

良いのかもしれません。 

ポジティブ病の国、アメリカ

ポジティブ病の国、アメリカ

 

 

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